「じいとばあから学ぶこと」small good things

朝、まだ暗いうちに起きておなごしがかまどに火を入れる。一日の始まりだ。かまどで炊く飯は、ほとんどが麦やヒエ。山仕事に行くときは弁当も作らねばならず、おなごしの朝は忙しい。その飯をめんぱ(弁当箱)にぎゅうぎゅうに詰めて男しは山仕事に向かう。歩いて半日もかけて仕事場に着くと、まずは火を焚いて道具の手入れをし、それぞれの裁量で仕事が始まる。危険を伴う重労働に、二食分詰めためんぱの弁当はあっという間に無くなってしまう。米や雑穀、いりこ、梅干し、みそ以外は現地調達だ。

 山作での植え付けや収穫等に忙しい季節は、山に簡単な小屋を作って家族で泊まり込む。おなごしも一緒に働き、子どもも手伝う。長い時は何日も家に帰らない。もちろん電気も水道も無い。でも、つらいと思った時はない。むしろ、子どもの頃は親について山に行くのが楽しみだったという。

 山の暮らしも、高度経済成長期以降がらりと変わった。山が支えてきた人々の暮らしも「近代化」され、農林業の機械化、効率化…人々は町に流れ、木材や食糧までもいつしか外国を頼りにするようになった。山は、まだまだ山の人も町の人も養えるだけの豊かさがあるにもかかわらず。  山にはじいやばあたちが残った。樹々を育て、清い水を生み出し、食糧を得る場であり、暮らしの糧でもあった山の豊かさを知る最後の世代。今なお、当たり前のように薪を割り、小屋を建て、石垣を積む。エネルギーも、住まいも、すべてが自前、すべてが自力。「近代化」がもたらした、環境や人間自身へのあらゆる負荷がツケとなって顕現している今、山のじいとばあたちの暮らしから学ぶべきものはなんだろう。

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